今回の旅の最大の目的地は
トビリシから150kmほど北に向かった
ロシアとの国境が控えるステパンツミンダにある
山頂に凛と佇むツミンダサメバ教会でした。
(スケープスの記事で一番印象に残った風景がここなのです)
ミニバスで片道3時間の距離なので、
その気になれば日帰りも出来る場所ではあるのですが、
ステパンツミンダにはデザインホテルにも加盟している
ルームズホテルという眺望抜群のホテルがあることもわかったので、
トビリシから1泊2日のショートトリップをすることに。
目指すステパンツミンダまでは
グルジア軍用道路という一本道の幹線道路が伸びているのですが、
その沿線には観光名所が点在しているため、
この道路を往復するツアーも多く設定されています。
ムツヘタへ行くのと同じように
メトロのディドゥベ駅からミニバスで行くこともできるのですが、
それだと途中の観光が一切できないため
タクシーのチャーターも考えましたが、
交渉が面倒ということもあって、ルームズホテルにお願いして
車を用意してもらうことにしました。
同じホテルに戻ってくるため、大きな荷物は預かってもらい
身軽な状態で、朝8時半にラディソンホテルを出発。
迎えに来てくれた気さくで素朴なおじさんに
チーナ?チーナ?と聞かれ、意味がわからず困っていると
ヤーパン?チーナ?と言い換えてくれたので
日本人なのか中国人なのか聞いていると判明(笑)。
ちなみに車は三菱のデリカでした。
途中、険しい山道を抜けるため4WDが必須ではあるのですが、
日本から輸入した中古車のようで
右ハンドルはもちろん、計器類も全部日本語で書かれていました。
おじさん、意味わかってるのかな・・・?
トビリシを出てからは、車の量も減り、
順調に飛ばしていると、ムツヘタを過ぎたあたりで土砂降りの雨が・・・。
この先の道路に影響がないか不安を感じる場面もありましたが、
雨はすぐに小康状態になり、
トビリシを出て1時間ほどで最初の立ち寄りスポット、アナヌリに到着しました。
アナヌリは大きな人工湖の畔にある町で
湖にせり出すように建てられたアナヌリ教会がランドマーク。
ロンリープラネットのガイドブックでは
表紙に使われていたほど、風情のある佇まいが魅力的な教会です。
城壁の中に入ると湖を見渡す展望台のような場所があり、
この日は生憎の空模様ではありましたが、
霧に包まれた湖もそれはそれで幻想的。
繊細なイコンや宗教画がキャンドルに浮かび上がる
教会の内部では、厳かに礼拝が行われていて
朝から神聖な空気に触れることが出来ました。
アナヌリを後にすると、いよいよ道路は山の中へ。
谷あいに開けた小さな集落を何か所も通り過ぎ、
途中、道を占拠していた羊の群れに立ち往生するハプニングもありつつ
いろは坂も顔負けの険しい峠道へと進んでいきます。
峠道を登りきった場所には
山の中にも関わらず、比較的規模の大きいグダウリという町があり、
ジョージアきってのスキーリゾートになっています。
5月初旬でしたが、車に乗っていても寒さを感じるほど気温も低く、
まだ辺り一面が雪に覆われていました。
町を抜けるとほどなくして、崖に突き出すような場所に
壁画で囲まれた展望台が見えてきます。
おじさんに勧められ、車を止めてもらいましたが、
この天気のため、周囲には全く何も見えない状態でした・・・。
そんな中でも地元の学生さんと思われる団体さんたちが
思い思いに展望台を楽しんでいたのが印象的でした。
ほどなくして、この峠道の最高地点(2395m)を通過し、
後は一気に坂を下っていくだけ。
峠を越えると天気も一変して、山に囲まれた牧歌的な光景が見えてきました。
途中、なぜか一か所だけ道路が舗装されていない集落を抜けると
道路がわかりやすいくらい、滑らかで直線的になり、
行く手に目的地、ステパンツミンダの集落が見えてきたのは
トビリシを出てから3時間後のことでした。
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